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2007.03.21 Birthday Present
2月3日、私は29歳になった。
実習期間中だったが、幸いにもその日は土曜日だった。
彼は私のためにお台場のホテルを予約してくれていた。
彼が宿を予約してくれたのは、これで3度目になる。
1度目は新潟。
2度目はクリスマスイヴ。
この日は日航東京に泊まったんだった。
夜景の綺麗な部屋で、シャンパンを飲んだ。
ユメのようなクリスマスだった。
しかし、あまりにも高すぎる宿泊料金を聞き、私は彼の財政事情を本気で心配してしまった。
そんな私の心配を察してか、チェックインを終えたあと、安心させるように宿泊料金の領収書を見せる。
さいわい4ケタだ。
とはいえ旅行時以外のホテル代は、すべて彼の支払いになるのだけど。

「そういえばさ、私なんでココにいるんだっけ?」
シャワーを浴びた後、ベッドに横たわりながら、私は誰に聞くでもないように疑問を口にする。
すると彼は
「横向いて」
と指示をした。
顔だけ壁のある右側を向き、あおむけになった姿勢の私は私は、ちらりと彼の様子を覗いてみる。
「目を閉じて」
ばれてしまった。
私はとっさに目を閉じる。
体勢の変わらない私に対し、彼は
「腕を出して」
と言う。
「右?左?どっち?」
どちらの腕を出すのかと尋ねる私に対し
「左でしょう」
そう言って私の手を取る。
ディリンディリ~ンといったBGMが彼のくちびるから流れる。
それはまったくロマンチックさを持ち合わせていない。
だけど、そこが彼らしい。
指の付け根に金属の冷たい感触が帯びてくる。
「いいよ」
目を開けて自分の手を見たら、指輪がはまっていた。
「シンプルなシルバーリングがいいな」
というリクエストは全く反映されておらず、ダイヤとおぼしき石と、それよりも小さなピンクと水色の宝石がきらきらと光っている。
自分では選ばないあろうかわいらしいデザインだ。
「うれしい・・・」
私は素直な感情を口にし、彼の顔を見つめる。
彼は
(気に入ってもらえてよかった)
という顔をしている。
「指輪ってどっちの指にすればいいんだろ」
「やっぱ左手でしょう」
3色の宝石は、私の左手薬指でまばゆいくらいに輝いていた。

誕生日プレゼントに指輪が欲しいと言ったのは、私だった。
これで私は、彼の彼女でいるという事実を人々に晒すことができる。
愛されている女の持つ優越感を、いつの間にか持つようになっていた。
私はしあわせだ。
私は、彼の首に両腕をまわす。
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