FC2ブログ
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
入学式のあとは、彼と新宿で会う約束をしていた。
スーツで来ると思われた彼は私服で現れた。
休みを取ったという。
彼は本来土日休みだが、土曜はたいがいお昼過ぎ前後まで休日出勤している。
「7時に目覚ましかけたけど、起きられなかったから明日出勤することにした」
二度寝してすっきりしたらしい私服の彼と、早起きしてスーツにスプリングコート姿の私は、並んで新宿通り方面に歩き始める。
「お昼食べた?」
「ううん、大野木さん(仮名)は?」
「朝、納豆ごはん食べたから、そんなに空いてないよ」
「私もお昼はあんまり食べられない」
「じゃあ喫茶店とか軽く食べられるとこに行こうか」
「伊勢丹の地下にカフェが2つあるよ。アフタヌーンティーと地下にもカフェがあるんだ。でも、アフタヌーンティーは混んでるだろうなあ」
「そうだろうね、ちょうどいい時間だし」
13時半を回った今頃は、ちょうど最も混むであろう。
「じゃあ地下の『BPQC』のカフェに行こうか」
「いいよ」
私達は伊勢丹に入った。

1階のエントランス両脇には、アクセサリー売り場が並んでいる。
2人並んで歩きながら、以前ココを一緒に歩いたヒトがいたことを思い出す。
(いまは違うヒトといるんだ)
そう自分に言い聞かせる。
私は、このヒトと一緒にいることを選んだのだ。
今日だってきっと楽しいに違いない。
実際、カフェで話が弾み、気づいたら16時を回っていた。
入学式の感想、彼の転職や旦那さんの出張中に帰省しているお姉さんと姪っ子さんのこと、この1週間に起こったことなど。
互いの話を興味深く聞く。
店を出る際、『喫茶店で2時間もたない男とはつきあうな!』という本の存在が思い浮かんだ。
(だとしたら彼は合格ライン?)
私はココロのなかでひとり微笑む。
「今日、セカンドバック持って出ようとしたら、(家族に)アンタそんなの持ってくのやめなさいよ、とダメ出しをくらった」
という男を目の前にして。
冗談かと思ったが、本当だったらしい。
もちろん
「あれ結構便利なんだよ」
という彼に対し
「セカンドバックなんか持ってきてたら、私帰る!」
と徹底否定したのは言うまでもない。
「もう2度と使わないよ」
彼は明るく告げた。

彼の外見は、決して悪いほうではない。
身長は182cmと長身だし、手足も長くてスリムだ。
髪は頭頂部の地肌がくっきり見え始めているが、一応ワックスで整えてある。
だが、私服のセンスがイマイチなのだ。
だぼだぼのパンツに茶色いAIRマックスは、バランスが悪く見えた。
アウターの黒いTシャツはおかしくないのに。
(このTシャツの下に、ジーンズと甲が反りぎみの飴色の革靴を合わせたずっといいんだけどな・・・)
前回会ったときから1週間、ずっとそんなことを考えていた。
そのときと同じTシャツを着た彼と伊勢丹のメンズ館内を歩きながら。
「そういえば、ジーンズと靴が欲しいと思ってたんだよね」
私が口に出す前に、彼が言った。
チャーンス!
「じゃあリーバイス行こうか」
私は彼をタカシマヤ向かいにあるリーバイスのショップに連れ出した。
スポンサーサイト
Secret

TrackBackURL
→http://tsutaetaikotoganai.blog14.fc2.com/tb.php/252-eeba3afa
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。