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水曜日の夜、私は実にきちんとしたカタチで振ってきた。
「私、大野木さん(仮名)の気持ちに応えられない」
途端、彼は顔をくしゃくしゃにして苦笑いを浮かべだす。
「大野木さんが私をよく思ってくれてるのはすごくわかるんだけど、私はすごく考えこんじゃうし、大野木さんは楽天家でな方でしょ。だからつきあったとしても、うまくいかないと思うの。友達でならいたいと思ってる。すごく勝手だけど、友達なら長くつきあえるでしょ」
勝手すぎるほど勝手な私の意見に対し、彼は依然苦笑いを浮かべる。
「こればかりは相性だから仕様がないよ。今朝のメールの時点で(もしかしたら…)と思ってたんだ」
というと彼は焼酎を飲み干し、もう1杯頼む。
「他に好きなヒトがいるの?」
「ううん、いないけど」
彼の問いに対し、私は否定する。
「いつから合わないんじゃないかって感じていたの?」
「銀座でコンパした時の帰りでかな…」
これも半分以上嘘。
正直に、3週間前のメールのレスでだめだと思った、と言ってもよかったかも知れない。
ただでもショックを与える側として、それは言えなかった。

店を出て黙りこくりながら駅に向かう私たち。
「俺ちょっと会社戻るから、じゃ!」
同じ電車で帰るはずの彼は、足早に再び街に消えていった。
実にわかりやすい嘘をついていなくなったヒトに対し、堂々と嘘ばかりつく私。
それでも、傷つけたココロはひっぱたいた手のように痛む。
電車に乗るまえに、私はすこし泣いた。
身勝手な論理から成り立つ安い自己憐憫。
私にもそんな気持ちが持てるんだ。
半年前の私こそ、その時の彼の立場だったのに―。

彼の友達とイヴを過ごすことを秘密にし、私は待ち合わせ場所に向かう。
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