上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2007.01.31 衝撃(2)
以前ブログで触れたが、あいつはmixiをやっている。
mixiユーザーの私は、あいつのIDをアクセスブロックしている。
そうまでしないと、お互いの現状を探り合ってしまいそうだった。
堕ちた私を見せたところで、あいつは私を選ばない。
私はそれを知っていた。
あいつが私の前から消えたように、私もあいつの前から徹底的に消え去る。
そうでもしないと自分を保つことができなかった。
私とあいつは、もう二度と会ってはならなかったのだ。

そんななか、私はCに悪魔の指令を出す。
「ねえ、あいつのmixi見てみてよ。日記とかに最近のこととか書いてないか知りたいの」
私が知りたかったことはただひとつ。
Cは忠実にあいつのプロフを検索し、お気に入りに保存する。
「結構マメに更新してるみたいだよ」
と知らせながら、核心に迫っていくC。
「いまは札幌にはいないみたいだよ。いまの仕事の段落をつけて3月に東京に戻るみたい」
「そうなの、あいつ、帰ってくるの…」
茫然とした口調で事実を繰り返す私。
北海道に住んでいる女性と別れたあいつが、実家のある東京に戻ってくることは何ら不思議ではないことだった。
「やっぱり・・・。帰ってくるんだ。あいつ、帰ってくるんだ。帰ってくるんだ・・・」
表情のない顔で、私はなおも同じ言葉を繰り返す。
私は狂ってしまいかねないだろう。
そう察知したのかCは、私を現実へと引き戻す。
「(あいつは)もしかしたらOO(私の本名)にパソコンのメールなり携帯なりに連絡してくるかもしれない。着拒やメールを受け取らない設定にしておいたほうがいいと思うよ」
「そうだよね」
Cとの電話中PCをいじりながら、あいつのメールが届かない設定になっていることを確認した。

私はいまだにあいつとの共通の友人達と月イチ位で飲んでいる。
友人達を通じて私の現状を探る可能性は、ないとはいえなかった。
つきあった女性とは、別れても連絡を取りたがる彼のことである。
彼にとって唯一の例外であろう私に関しては、気になるのではないだろうか。
だからこそ私は予防線を張っている。
あいつの共通の友人たちには、必要以上にいまの彼のことでのろけ、円満ぶりをアピールしていた。
でないと自分がみじめだ。
友人達にあいつから連絡が来ても、私にはつきあっている彼がいることを知れば、あいつだって手出しはできないだろう。
私は前に使っていた携帯を取り出し、いま使っている携帯にあいつのメモリを赤外線で送った。
女性の名前にすげ変えた電話番号を、着信拒否の対象として登録した。
私はあと3日で、29歳になる。
スポンサーサイト
2007.01.29 衝撃(1)
おそれていたことが、やって来ようとしてきている。
それはかつて起こって欲しかった「奇跡」だった。
けれどもいまは違う。
なおも私は、過去に苦しめられなければならないのだろうか。


試験中の上に幼稚園での責任実習を控えた私は、現実から逃げるかのようにPCでのネットサーフィンにハマっていた。
かるい気持ちでアクセスしたブログ。
そこに書いてあった内容は、私を瞠目させるにあまりあるものだった。

あいつが、彼女と別れた―。

事実を淡々と綴っただけの記事を読み終えた途端、笑いがこみ上げてくる。

(勝った…!)

自分でも気味がわるくなるくらいの高笑い。
ハイになっているのがわかる。

(ざまあみろ)

あいつが迎えた恋愛の終焉に、私はいまのしあわせを思う。
止まらない笑いを押さえようとせず、私は携帯を手にする。
電話の相手は親友のC。
とくに力になってくれた友達の1人だ。
「あっ、もしもし」
うかれた口調で事の次第を喋る私と一緒にCも笑う。
「あはっはっはっはっはっはっ…いままでのことは決して無駄じゃなかったよねえ」
いつもより2トーン高い笑い声の混じった喋りの私に対し、は同調する。
「よかったじゃない。もしあいつと○○(私の本名)がつき合ってたとしたら、今回みたいにうまくいかなかったと思うよ。まわり道をしたけど、徹也さんに出会えた訳でしょ」
「そうよ、徹也は私のことをとても大事にしてくれるわ。こんな訳アリな女でもいいって言ってくれたんだからね。それに、こんな見方はよくないかも知れないけど、徹也は中学から私立だし、6大学出身だし、東証一部上場企業で働いてるわ」
30過ぎても根無し草なあいつとは違ってね―。
と、ココロのなかでつけ足す。
毒づきながら、軽蔑をこめて。
「ねえ、あたしのいままでって、決してむだじゃなかったよねえ。お酒ばっかり飲んで、あいつを忘れるために出会いさがしまくって、生理だって狂ったり、体重だってふえたりへったりしながらさあ」
「そうだよ」
ジャンキーのように一方的にまくし立てる私にCは同調する。
「あの頃の辛さは決して無駄じゃなかったことが証明されたよ。その結果、徹也さんと出会えた訳でしょ。いい選択をしたと思うよ」
「そうよ、徹也は今週末に私の誕生日を祝ってくれるの。そのためにレストランまで予約してくれたんだから」
29歳になるその日、彼は私のリクエストに答えてフレンチかイタリアンのお店を予約した。
その時の私の頭には、建築士と過ごした去年の誕生日のことは一切なかった。
彼は知らないが、建築士は身代わりに過ぎないのだ。
当然ながら、建築士もそのことは知らない。
そして彼もかつてはふられた男の身代わりだった。
彼もまた、それを知らないままでいる。

ようやく落ち着きを取り戻した私は、Cにひとつの頼みごとをする。
「ねえ、ちょっと調べて欲しいことがあるんだけど…」
それは、条件を満たした第三者でないとできないことだった。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。